40歳の時点で1億円の資産を築き、トータル3000万PV以上の大人気ブログ「たぱぞうの米国株投資」を運営、金融庁のつみたてNISA座談会への参加等、もはや投資家として権威とも言っても過言ではないたぱぞう氏の「お金が増える 米国株超楽ちん投資術」を読みました。
こちらが投資初心者から中級者まで役立つ良書でしたので紹介します。
※投資の判断はご自身の責任でおこなってください。
投資の戦略は人それぞれだと思いますが、この記事を読んでいる方の戦略はいかがでしょうか。
初心者の方の中にはこれといった戦略を持たない方もいるでしょう。
本書は米国株を戦略の中心に据えたたぱぞう氏が送る米国株投資の徹底指南書と言える内容になっています。
私なりに読み解いた本書の想定読者は下記のような方々です。
- 投資を始めようとしているが、何から始めたら良いかわからない。
- 投資を始めようとして色々調べていたところ、米国株に投資するのが良いらしいと聞いた。
- ポートフォリオに米国株を組み込んでいるが、米国株の良さを再認識しおきたい。
- 米国株の良さは十分に認識しているので、米国株を利用して資産をより増やしていきたい。
1〜3つ目当たるような初心者の方にとっては米国株の良さを基本から整理することでブレない投資戦略を立てるのに役立つと思われます。
本書が優れているのは4つ目に当たるような中級者の方にも十分に役立つ内容になっている点です。
たぱぞう氏の投資編歴
かつてのたぱぞう氏は日々日本株への投資に時間を費やし、短期売買を繰り返すという投資スタイルだったようです。
ざっとまとめると下記のような遍歴を辿っています。
- 投資を始めて最初の10年は日本株へ集中投資し、短期売買を繰り返していた。
- 当時は資産のすべてが株式だった。
- 海外株投資を始めるもスタイルは変わらず下がったら買い増し、上がったら売却していた。
- 資産が増えたことによる分散の必要性から様々な決算情報を分析する中で米国株の成長性に気付いた。
たぱぞう氏も、私を含めた初心者の方が通りがちな分散を考慮せずに短期的な上がり下がりを予想するというアンチパターンを通ってきた一人なのですね。
ただし注目すべきは紆余曲折を経て辿り着いた米国株の成長性への気付きではないでしょうか。
米国株投資にまとまったお金も、知識も、英語力もいりません。
お金が増える 米国株超楽ちん投資術
米国株の積み立てなら、リスクを抑えた投資ができます。
お金が増える 米国株超楽ちん投資術
本書は米国株の解説に触れることで、初心者に対して米国株に対する気付きを与え、中級者として米国株を活用するまでの道筋へのショートカットを可能にしてくれるものです。
米国株のメリットを語るまでの展開が強引だと納得感を得にくいと思いますが、本書の場合は投資編歴からの気付きという流れになっていて、多くの方が納得感を得られるのではないでしょうか。
米国株でお金は増えるのか?
米国株の特徴
では米国株の良さはどこにあるでしょうか。
たぱぞう氏が決算情報を通して気付いた米国株の特徴とは、米国企業の経営者の株主に対する意識の高さであったようです。
株主(投資家)が利益を得られるように企業努力をしている
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人口・消費・株価指数の成長性
加えてたぱぞう氏が挙げる米国株が投資に値する理由は以下です。
- 人口が増加しており、消費成長国であること
- 投資に見合った法整備がなされていること
例えば日本では人口が減少していて今後も減少は続くと予想されています。
一方米国の人口は一説では2050年まで増加すると予想されています。
たぱぞう氏は米国の人口は今後も増えていき、人口が増えれば消費力も成長力も維持されるだろうと予想しています。
法整備に関しては新興国では経済成長と株価がリンクしないことがあり、その点米国はイノベーションが起きやすい土壌もあり、しっかりとした法整備がされていることをメリットとしています。
また、経済成長に伴う株価指数の関連性についても分析がされています。
米国の証券取引所の上場基準は厳しく、上場を維持するために成長性の高い銘柄が株式市場に集まります。
この特徴が経済成長に伴う株価指数の上昇を生むとしています。
ただ、米国の人口動向を少し調べていたところ、少し気になる情報もありました。
下記の記事に有用なデータがまとめられています。
端的に言えば、近年の米国では人口増加率の低下が見られ、様々な負の要因があるということです。
米国株の人口増の予測をどう捉えるかが、今後の米国株投資の一番の迷いどころかも知れません。
国際分散性
米国の大型株の国際分散性に関しても語られています。
まず投資の基本として一般的には「分散投資」が言われます。
以下は金融庁のWebサイトからの引用です。
本書では米国株が国際分散投資のセオリーに適った投資先として紹介されています。
米国株の大型株の企業の売り上げのうち4割は米国外から得られており、米国企業に投資することはすなわち米国外への国際分散投資にもなっているとの主旨です。
米国株へ投資しているつもりで、実態としてはその他の国の成長へも分散投資していることになるというのは、米国の企業が他国の企業と比べて桁違いの規模を誇っているからこそ言えるメリットなのではと思います。
米国株投資をどうスタートするか?
米国株の良さが理解できたところで登場するのが具体的にどう始めるかの話です。
面倒なら、積み立て型投資信託で十分です
お金が増える 米国株超楽ちん投資術
本書がすすめるのは投資信託やETFに投資する「インデックス」投資です。
誰でもできる投資として米国株の指数に連動した投資信託のつみたてがすすめられています。
海外ETFの魅力を紹介しつつもそこまで深く検討するのが面倒な方向け戦略として投資信託でも十分に良い投資ができるとしているのです。
地域の分散、時間の分散を踏まえた戦略は誰しもに必要となります。
最近の投資信託のつみたてでは、低コストで時間的な分散も可能になっています。
ここまで来れば多くの方が米国株を中心とした投資信託のつみたてへ向かう戦略を立てられるでしょう。
たぱぞう氏注目の投資信託、ETF、個別銘柄
戦略が立てば後はさらに細かい戦術の話になっていきます。
個別銘柄は値動きが楽しめる人向けと釘を刺しつつ、戦略を踏まえた投資信託、ETF、個別銘柄を紹介しています。
個別銘柄に関しては、これからさらに資産を増やしたい中級者の方にとっても読み応えのあるアドバイスとして役立ちそうです。
ポートフォリオと実践レッスン
本書では精神的なリスク許容度や年齢を踏まえたポートフォリオに関する意見も述べられています。
初心者にとってはどれくらいの資産を投資に回すべきかの判断は難しいもの。
初心者にとってポートフォリオと向き合うきっかけになるでしょう。
また、中級者にとってもポートフォリオに関する話はリバランスの参考になる内容ではないでしょうか。
合わせて金融機関や口座の種類まで紹介され、投資を始めるために調査・判断が必要なポイントがカバーされています。
どこまでも初心者を置き去りにしないのが本書の良いところです。
いざ投資を始めるとなっても結局何をすれば良いのかわからないということもあり得ます。
このあたりは大いに初心者の金融機関選びの手助けにもなるでしょう。
まとめ
人生で大切なのは仕事や、趣味や、家族の時間。だから投資には時間も手間もかけない。それが私の考え方です。
お金が増える 米国株超楽ちん投資術
投資自体が趣味という人を除いて、投資は幸せになるための手段であるべきですよね。
普通の人がタイトルにある「楽ちん」な投資をするには事前にある程度の学習と経験が求められるものと思います。
本書はたぱぞう氏が「楽ちん」な投資へと至ったプロセスのショートカットを可能にしてくれます。
私を筆頭にした初心者の方の投資の最初のイメージはというと「個別株の価格の上がり下がりの予想を繰り返しながら売買する」というものだと思いますが、本書で示す戦略は米国株の長期的な成長を信じてどっしりと腰を落ち着けたものです。
初心者の方も本書を通じたショートカット後には腰を落ち着けた投資戦略を保てるでしょう。
中級者の方も今後に活用できるエッセンスが得られると思える良書でした。
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